2013年02月08日

  がれき広域処理の真相を根拠法から暴く!

 
  山本節子さんのお話 2012年9月29日 講演会(PDFより抜粋)
 
  
 
ゴミの焼却処理っていうのは開放処理なんですね。
ほんとは有毒物質は、冷やして固めて拡散を防がなければいけない。
ところがゴミの焼却っていうのは
高熱で加熱して全部拡散してしまうんです。
ですから基本的にやってはいけない処理なんです。
世界中のゴミの焼却炉の3分の2が日本にあると昔いわれていました。
いったんその数は下がりましたが、それがまた徐々に規制緩和で増えてきています。
先ほどちょっと東京の23区の清掃1組(東京23区清掃一部事務組合)の話がでましたけど、
この清掃1組が東京都の場合は完全に民営化されちゃってるんですね。
民営化されると市民の目にはとどかない、市民がコントロールできない、
そいういう恐ろしさがあって、でもそれをほっておいたので
去年の311以降同じことが起きているんです。
だから、ゴミの焼却炉が危険だっていうのと、がれきの広域処理、
ようするに民営化は危険だっていう、
この二つの危険性が実はあわさって今みたいなことになっているんです。
それで今のことを前置きにして今日お話するのは、この資料に基づいて話しますけど、
資料は見なくても結構です。もうほんとに文字ばっかりなので、
これをみてるとだんだん眠くなってしまうので、
これは家に帰ってからお読みになってください。
それで今日の話の内容は、まず根拠法とは何か。
それから二番目に311以前こうやってがれきの広域処理は可能だったのか。
可能だからやってるんですけど。
三番目はフクシマ後のがれき関係の二法令って、
去年の8月に法律が、しょうもないっていうか、
とてつもなくひどい法律が二つ公布されましたが、それについてちょっと説明します。
それから四番目としてがれきの広域処理は、
じゃあいったい何を目的にしてるのかっていう、
こういうお話をしたいと思います。
 
環境省がいま、がれきの広域処理を100%引き受けてやっていますが、
環境省ってもともと放射能に関してはまったく首をつっこめなかったんですよ、法律上ね。
ですから、環境省の放射能の知見がゼロだったって、
びっくりしたようなことが一時言われましたけれど、
それは、あの法律を知っている人にとっては
もう当然のことでわかっているんです。今更おどろくべきことではないんです。
これに驚くっていうことに私は驚きました。これを知っている人は
環境省ががれきのことをやるって言われて「ちょっと待った!」って
その時点でほんとうは止めなきゃいけなかった。止まらなきゃいけなかったんですね。
私は残念ながら、311のときは日本にいませんでして、
中国に、それまで5,6年ずっといたんです。すっかり中国が好きになって、
まあこれだったら死ぬまで中国にいてもいいか、くらいに思っていたんですが、
311でね、石巻のほんとに炎になった町がどぉーって海の方に流れる、
あれを見てぞっとしまして、なんでぞっとしたか、これはもう廃棄
物が大変だと思ったんです。それで翌日フクイチ爆発でしょ。
これはもう恐ろしいことになると思って、手続きをストップして帰ることにしたんです。
帰ってきたのがちょうど1年前の去年の8月半ばなんですけど、
神奈川県は今年の1月からがれき問題が起こりまして、
それはパシッと止めました。止める技術があって、テクニックなんですけど、
みんな基本的な知識がない、それこそ知見がないので、
もうほんと、あたふたしているだけなんですけど、今日言う話はとても重要なので、
ほんとに皆さんあたまの隅にきちっと置いといてください。
 
環境省はとにかく放射能に関する知見はゼロだった。
そこに放射能を含むがれきの問題が出てきた。
広域処理っていうのは、ゴミ処理広域化計画っていうのは1996年以降
ずっとやっていますけど、それがほんとに違法事業で、
私はそのために本を書いたくらいなんですが、
それにのっかる形でいっきに広域化、広域利権を拡大してしまったんです。
完全に利権事業です。ちなみに言いますと、ゴミとか廃棄物処理っていうのは、
これは環境事業ではなくて、完全に政治問題、利権事業です。
だから、私たちの生活をきれいにするためにとか、そんなものではないので、
だまされないでください。完全に政治問題なんですね、ゴミは。
 
それで、三番目なんですけど、
それまでの法律、放射能を含む廃棄物は燃やせないってなってました。
それは今日、いろいろな法律を使って、皆さんにご紹介するんですけど、
ところが、放射能の、がれきの広域処理は
もう最初から広域に拡散して埋め立てにするって、
そういうような広域処理を前提としていました。これはもうおかしい。
 
四番目なんですけど、なんで今市町村ががれきを引き受けることになったのか。
環境省は平気でいうんですね。がれきは一般廃棄物なんですよって。
これでだまされちゃいけないんですね。
災害廃棄物っていう言葉は、廃棄物処理法にはないんです。
災害廃棄物っていうのは、なんか無理やり一般廃棄物にしてしまったという、
いろんなあれがあるんですけどね。4,5年前ですかね、
各自治体が新潟県の大地震の後ですかね、
災害廃棄物の処理計画っていうのをつくりました。
その辺からなんか自治体が災害廃棄物は
全部、処理するものってなってしまったんです。
決して廃棄物処理法に規定されているわけではありません。
 
それから五番目なんですけど、ここのところはね、
バグフィルター万能説が出てきていますけど、
バグフィルターがもうぜんぜん``ざる''だっていうことは、
ゴミ問題をやっている人ならみんなわかっています。
これにもだまされないでください。
 
根拠法って何?
これを一番はじめの前置きにして、
まず一番はじめの根拠法とは何かってことなんですが、
根拠法っていうのはね、すべての行政がやる事業は全部、
根拠法が基になっているんですよ。
「そんなこと考えたこともなかったわ」って思われる方も多いかもしれませんが、
たとえば、子供達が学校に行くね、根拠法は教育基本法なんです。
学校で給食をみんな食べるでしょ。それは学校給食法っていう法律があるんですよ。
そういうふうに全部ひとつひとつの事業に全部根拠法がある。
これは法律を知っている人には当たり前なんですね。それで、
1月30日、神奈川県は、がれきを受け入れるっていうことで、
県民と対話集会を開きました。
そのときたまたま私が当たりまして、
「このがれきの広域処理の根拠法は」って聞いたら、
黒岩知事は答えられなくて、となりにいた環境省にふった。
で環境省のおやじさんは、「いやぁ、根拠法はありません」ってはっきりいいました。
実際無いんです。これはあの根拠法ができないわけがあるんです。
そしたら、それなのになぜ広域処理ができるのか
っていうのが私の大きな問題意識でした。
それで、「根拠法はありません」って言ったとたんに、ほんとはね、会場の人が、
「なんだっ!」って怒り出すと思ったんです。
ところが、し〜んとしている。誰もわからなかったんですね。根拠法は何かすら。
これは大変だとおもって。え〜っと、私が日本にいた5,6年前までは、
一生懸命いろんなところで話をしてわかってくれた人がいるんですが、
5,6年で関係ないものはみんなわすれちゃうんですね。
根拠法は、今言ったように、すべての行政事務っていいます。
公共事業のことを。行政用語なんでしょう。
事務といいますが、根拠法は必ず必要なんです。
なんで根拠法っていうのか。根拠法のもともとっていうのは、
法で治めるっていう考え方があるんです。
法治主義なんですが、これはもう中世以来の考え方なんですよ。
もう中世以来、人とか、王様とか、それから天皇とか皇帝が治めるんではなくて、
人治主義に対して。人が治めると間違いがあるでしょ。
それに、とっても不公平なことも起きるでしょ。
それで、きちんと法律をつくって、法律に基づいて事業をやろうってことになったんです。
もうあまりにも当たり前の話なので、
人に説明するのもはずかしいって感じだったんですけど、
日本の人はこういう勉強をしてないのでね。学校で教えてくれないですね。
それが一番問題だと思います。
天皇は神様だというようなことを教えるより、根拠法を教えろよって感じなんですが。
 
あの公共事業はとくにですね、使われているのが、
私たちが汗水ながして納めた税金でしょ。
ですから、必ず、支出も公明正大でなければいけないんです。しかも、
どうやって払ったかっていうのをあとづけなくてはいけない。それがなかったら、
もうほんとになんでもかんでもやりたい放題じゃないですか。利権にまっしぐらです。
いまそれをやってるのが、大阪の橋下さんなんですね。ちょっと話が脱線しますけど、
昨日のその橋下さんの記者会見で、あそこには府市統合本部ってのをつくったんですね。
府市統合本部会議っていうのはいったい何に基づくのかって、
ぜんぜん根拠になる条例もないし、それからまったく文献もないんですね。
それを聞いたら、「ああ、なくていいんです」。
「なんでですか」って聞いたら、「府と市で話し合って、私が決めたから」。
まさにね、人治主義なんですよ、あそこは。
それで、「じゃあ、どうやってそれができたんですか」って聞いたら、
「いや、それは選挙公約だったから、
マニフェストで受け入れられたからそれでやっていいんだ」って。
全然違法性はないって。
マニフェストとね、行政をいっしょにしちゃ困るんですけど、
そういうことも、わかってないのか、わかってないふりをしているのか、
あそこはとっても深刻だと思いました。
 
一番深刻だったのは、そのときね、
ここにいる皆さん達よりさらに多い記者達が、
記者クラブ室につめかけているんですけど、その記者達が
ひとことも発せず、もう完全にお仲間なんだなって、感じましたけど。
大阪はほんとに要注意です。
それで、国にとってね、もちろん地方自治体にとってもそうなんですけど、
根拠法を欠く事業というのはありえないんです。
そういう事業がありえたら、さっきの橋下さんがいい例なんですけど、
非法無法、法律ないから、無法っていうのはそういう意味なんですね。
条例もつくらないで勝手にやっていいんだったら、ほんとにね、
○○○さんにでもやらせられますよ。それじゃならず者国家と同じなんです。私は
1月30日の時点で、これは日本は暗黒社会だっていうのをほんとに確信しました。
根拠法と法治主義っていうのは、ほんとにあたまの中に
しっかり叩き込んでいただきたいと思います。
それをあたまに入れたうえでね、フクシマ以前の法制度、#がれき、放射能が
一般環境中に出た場合どういう法律の制度になっていたのか。
これをちょっとみてみましょう。
行政による不作為―これは犯罪なんです!
 
―放射能がれきをとりまく法律の小史と分析―
http://youtu.be/oXeMNP8etCE
今からね、10いくつくらいの法律をダダダダって並べます。
あっ、ホウリツなんてみたことない、読んだことないって
思われる方がほとんどかもしれませんけど、
だいじょうぶです。私の法律の説明はほんとに、あの、やさしいんですね。
っていうのは、私自身が、もうほんとに、なんにも知らないお母さんからはじめたので、
みなさんたちが、何がわからないかをよくわかっているんです。
だから、う〜んと簡単にポイントだけを紹介しますので。
 
まず、一般環境中に放射能を含む物質が出たっていうことを
想定したっていうそういう法律があるかないか、ふるい順番にみてみます。
一番ふるいのが原子力基本法ですね。昭和30年。
だから、あの敗戦後まもない時代に、しかも、原爆を二つも落とされたのに、
日本はこういうものを作ってしまった。
なんでかっていうのは、簡単ですね、
日本はポツダム宣言の条件をすべて受け入れたわけなんですけど、そのときに、
日本がとった道は、アメリカの傘下に入ることでした。
アメリカの完全に、``ポチ''とかいわれますけど・・・、属国なんですね、日本は。
それはもう法制度上完全に属国なんです。冗談で言ってるわけではなくて、
日本の憲法っていうのは
日米安全保障条約と同じ位置にあるのはみなさんご存知ですかね。
同じ位置にあるんですよ。
同じ位置にあって何ができるか。片っぽどっちかを消さないとならない。
それは憲法改正よりもっと大事なことなんですよ。
それをずっとほっといて戦後何十年もたったわけなんです。
そのつけが今でてきてるわけなんですけどね。
 
この法律には放射能による障害の防止措置を、別法で定めるって書いてありますが、
それがぜんぜんないんです。それが去年まで続いていました。
別法っていうのが、これなんですね。
2年後にできましたが、放射線障害防止法って略称されている
(放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律)
この法律は一般環境中に放射能が出てるってことを規定しているわけではなくて、
原発とか核燃料とかを扱う施設で働いている労働者の保護のための法律なんです。
そこで言ってるのは、3ヵ月で、1.3mSvを超えてはいけない
っていう基本があるんですけれども、これを考えると、
今福島をはじめ、ものすごくたくさんの地域がね、
放射線管理区域に入っているんですね。
しかも、それでもってがれきを燃やすような焼却炉はどういうことになるかっていうと、
放射線管理の管理者が必要になるような特別な施設になるんです。
そんなこと今なんにも考えないでがんがん燃やしてるでしょ。
これは、かなり恐ろしいことなんですね。
それで、同じ年に原子炉等規制法って略称されている
(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律)
こういう法律ができました。これは原子炉等などで
放射能が外に漏れたらどうするかっていう、それを規定した法律です。
ものすごくきびしいんですよ。とってもきびしいんです。
例えば、ここに原子炉があって、ここからちょっとだけ放射能が漏れたら、
そしてそれがどこかについたら、じゃあその放射能のついた廃棄物をどうするか、
これを扱えるのは、国が指定した業者だけなんですね。
国が指定した業者だけが、ちゃんと届け出をして、こういう計画を立てて、
ここからここへどいういうルートで運びますっていうのを全部報告して、
許可を受けないとできない。それぐらいきびしい法律なんですけど、
それじゃあ、がれきはっていうと何もないに等しいでしょ。
これはほんとにおかしいんです。
それで、先程8000㏃の話がありましたけど、
当然8000㏃なんて話は311以前はどこにもありません。
せいぜい100㏃でしたね。それが、このクリアランスレベルなんですけど、
 
    これを悪用しちゃったのね。
 
クリアランスレベルをがれきにあてはめてはいけません。
これは、法律で“あて違い”っていいますね。
あて違いであって、クリアランスレベルがあてはめられるのは、
原発だとか核燃料施設だけなんです。
そこから出た廃棄物だけなんです。ですから、それをがれきにあてはめて
100㏃までなら安全に処理できるなんて嘘っぱちです。さらに言えば
クリアランスレベルで規定しているのは、あくまで再利用なんですね。
再利用。だから、コンクリートのガラとか、金属類、それが再利用されて、
リサイクル製品になったときに100㏃以下なら使っていいよって、
それだったらもう放射能に汚染されているとみなさなくていいよって、
そういう意味なんですよ。
それがなんか今、がれきが100㏃以下なら
これはもう放射能に汚染されたものとはみなさなくていいよっていうのは
まったく嘘っぱちなので、そこはもう法律を知っている人は、
「何をうそいってるの!」ってはっきり言えるわけ。
皆さんたちこういうことを頭の中に入れておいてください。
それで、原子炉等規制法からずいぶん後になって、10何年後になって、
ようやくいろいろな環境法令が日本にもできました。
1970年にね、日本の国会が公害国会っていわれて、バタバタバタって
いろんな環境法令ができたんですけど、一番先にそれに先立ってできたのが、
大気汚染防止法です。もう東京も下町なんかは
大気汚染がひどかった時期があると思います。
すべての工業地帯がひどかったんですけどね。
 
この言葉がちょくちょく出てきますが、“適用除外”、
適用除外について今から説明しますけど、
すべて環境法令から、放射能はみんな適用を除外されているんですね。
大気汚染防止法は27条で、
放射性物質による大気の汚染及びその防止については適用しない。
あと、公害国会の廃棄物処理法ですね。
昭和45年、これはとっても大事なのでおぼえておいてください。
これは第二条で定義を定めてそこにちゃんと下に書いてありますね。
「放射性物質及びこれによって汚染されたものを除く」、除いているんですね。
意味は1㏃でも汚染されたものは一般の廃棄物にしちゃいけない
っていう意味です。もちろんゴミとして燃やしちゃいけません。
運んでもいけません。特別なものなんですね。
適応除外っていうのはそういうことなんです。
だから、これひとつだけ知ってても
「がれきの広域処理はありえない!」って大きな声で言えるわけ。
 
じゃあ何故それをやってるのか。後でそのごまかしのあれを説明しますけど。
それでゴミ処理についてあまりご存じない方もいらっしゃるので、
ここに一応注意をしましたけど、ゴミの処理っていうのは誰がやるのって話ですが、
事業者が出したもの、企業が出したものは基本的に企業が自ら処理します。
それを産業廃棄物っていいますね。
産業廃棄物がどういうものかっていうのは規定があるんですが、
産業廃棄物に規定されていないものはすべて一般廃棄物です。
だからさっきの災害廃棄物は産業廃棄物に規定されていないから、
一般廃棄物だっていう論法なんですけどね。それも間違った論法なんですが。
市町村の、都もそうなんですけど、廃棄物処理っていうのは、
基礎自治体っていうんですが、都も基礎自治体に入りますが、
基礎自治体っていうのは市町村のことです。
自治事務っていうことなんですが、基本的には
そこに住んでいる住民がその方針に対してきちっと賛否を問われて、
それに自分たちの意思を反映できる。
それがこの基礎自治体の自治事務といいます。
廃棄物処理っていうのは
基礎自治体の自治事務だっていうのを覚えておいていただきたい。
 
国と県がね、国は基礎自治体の自治事務については絶対関与できないんですよ。
どこで決まってるかっていうと、後で言いますが、憲法で決まっています。
国・県が関与できるのは、例えば東京都知事が変なことをしたって、
じゃ「ちょっとちょっと石原さん!
ここはまずいんじゃないの。ちゃんとここは是正しなさいよ」って、
是正勧告とか、そういう形ではできます。
都が国とおんなじことをやってたら、是正勧告もぜんぜんしなくていいのね。
国が自治事務に関して、何か上から許認可を出すようなことは絶対ありえないんです。
だからゴミ処理っていうのは完全にそこに住んでいる住民が決めるものなんです。
ところが、ゴミ処理広域化計画で、この原則を破ってしまったっていうのがあって、
東京都に23区一部事務組合ができたのもゴミ処理広域化計画の置き土産なんですが、
今のは、あたまに入れておいていただきたいです。
同じ、公害国会で、水質汚濁防止法っていうのができました。これも第二十三条で、
放射性物質これを適用除外しています。
ようするに、いろんな水系、すべての水系を含みますけれども、
海も川も湖も下水道も。そこに放射性物質が入ったって、それはもう関与しない。
それはもう、この法律では扱わないという意味です。
これじゃあもうすごくまずいんですよ。
どっかでやっぱり環境中に放射能が出てきたときのことを考えないといけないんです。
 
それで環境基本法っていう法律ができたのが、2003年ですね。
この法律は非常に重要な法律でした。
リオ・サミットのアジェンダっていうのがありました。
アジェンダを具現化っていうとちょっとむずかしいか、
具体化したのが、この環境基本法です。
これは、すべての環境法令のトップにあるわけです。
一番上にあるのが、環境基本法です。
だから、環境基本法に決まったことは必ずやらなきゃいけないわけです。
環境基本法がトップだっていうのは、
この法律の最初のところに書いてありますので、
興味がある人は読んでみてください。
 
第十一条、法制上の措置ってあって、
環境の保全に対する政策を実施するため必要な法制上
又は財政上の措置を講じなければいけない。
こういうことを決めていますね。その、十三条、これが重要なんですけど、
「放射性物質による大気の汚染等の防止」、等ですから
その他の媒体の汚染も含むっていう意味がありますが、
大気汚染とか土壌とか水質が放射性物質によって汚染されないようにね、
汚染防止のための措置ね、
「原子力基本法、その他の関係法律で定めるところによる」、
こう書いてあります。そうすると、
環境基本法の、ずっと前にできた原子力基本法を
必ず改正しないといけないんですよ。でしょ。
なぜ、改正されなきゃいけないかっていうと、
さっきのあれを見てればわかるんですけれども、
・・・環境汚染の防止を規定した条項がない。
ずっとほったらかしなんですね。
ですから、ずっと、ほんとにやらなければいけないことをやらないで
ここまで来たっていうのはどういうことかっていうと、
これは行政による不作為っていいます。
行政に関しては、
 
    これは犯罪行為なんです。
 
不作為がここまで通ってきた。
311まで通ってきたっていうのは、やっぱり市民運動との関係もあるし、
あるいは労働運動との関係もあるし、学術界あのアカデミーとの関係もあります。
そういうバランス感覚でやってますんで、これが、原子力基本法に、
防止のための一項もいれられなかったっていうのは、実は
私たちが市民運動の中にないに等しいっていうことだったんですね、
その間、あちこちで、原発反対の闘争があって、もうほんとに地域地域の人、
あるいは下支えしてくれるサポーターの人たちのおかげで
たくさんのあれを止めてきました。それはよかったんです。
それはよかったんですけど、日本の市民運動の悪いくせで、法律には
ほとんど目が向かなかったのね。それが20年くらい不作為が続いてきて、
311になってしまった、ということなんです。
 
それで、もっとひどいのはこれですね。
環境影響評価法。環境アセスメントのための法律です。
環境影響評価法は、各地でね、例えば神奈川県なんかもそうなんですけど、
一足先に住民運動が起きまして、都道府県条例が先にできました。
その都道府県条例を受けて、形だけの法律を作ったのが
平成9年(2007年)の話ですね。
この環境影響評価法、これはおかしいんですね。
この法律の規定は、放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁
(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む)
及び土壌の汚染については適用しない。
環境アセスで放射性物質に適用しないってのは
まったくおかしいんですよ。なんでかっていうと、環境アセスに基づいて、
例えば原発をつくるわけでしょ。原発をつくるとき、
じゃあここは地震がくるから危ないとか、地震の揺れは何ガルになるから危ないとか、
それは全部やるでしょ。ところが、原発に何か事故が起きた時、
じゃあ放射線はどこまで飛ぶとかって、当然やらなきゃいけないことをやってない。
これも、日本の市民運動が
法律にあまり目を向けなかった結果ではないかと私は思っているんですけどね。
 
それからあとはPRTR法ってのが平成11年にできました。
これは特定化学物質の…って長い名前の法律なんですが
日本語でもPRTR法って言ってますけれど、この法律は
いろんな事業者が自分たちが扱っている化学物質、あるいは事業活動によって、
あるいは事故によって、対外的に排出される有害化学物質、
それが年間どれくらいあるか、どこに飛んでいくか、
それをちゃんと登録して報告しなさいよっていう法律です。
あまり規制的な法律ではないんですけれど、
少なくとも把握することはできるんですが、この法律からも
化学物質の中に放射性物質を除いているですね。
だからもうすべての法律に放射性物質がないわけです。
 
有害なおそれのある、おそれって書いてありますが、
有害な化学物質なんですね。
下をちょっとみていただくとわかると思いますが、ちょっとここを大きくしましたが、
人や生態系への有害性があり、
環境中に広く存在(曝露可能性がある)と認められる物質として
すでにもう462物質が指定されています。
この中に放射性物質が含まれていないわけなんですね。
462物質もあるっていうことにまずほんとうは驚いていただきたい。
なんでかっていうと、この462物質ってのが
ほとんど全部出てるのが焼却炉なんですね。
どういう事業者から出てるかって、法律をみるとバァーっと関連事業者のリストがありますが、
いろんな事業者が書いてあるんですが、20番が一般廃棄物の処理業、
それから21番が産業廃棄物の処分業っていいかたしてますね。
ようするにすべての焼却炉、すべての処分場、
それからあのいろんな、大きなゴミをぶち壊すっていう破砕施設なんてありますけど、
破砕施設もとても危ない。それから、あの杉並病で有名になって、
あわてて取り壊された施設がありましたけど、
圧縮施設なんて非常に危ないわけですね。すべてPRTR法の対象事業なんです。
だから、基本的に有毒物質を出しますよ
っていうことを認められている対象事業なんですね。
特定第一種指定化学物質、さっき言いました462の中で、
462種類の化学物質の中で一番危険性が高いもの、
それはどういうものかっていうと、発がん性がもうはっきり認められているもの、
それから特に子供に対する小児毒性とか子供の先天異常に関わる、あるいは
生殖毒性が強いものをちゃんと別に決めています。その中で、
揮発性炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、
ベンゼン環をもっている炭化水素ですね、
あれはもうほとんど危ない。それから
有機塩素系化合物(ダイオキシン類、トリクロロエチレン等)、
これは農薬なんかに含まれている場合もありますが、
ダイオキシンとかフラン類とかそういうものも含まれます。それから、
農薬自体は非常に有害な化学物質なので、
安全な農薬ってのはないんですね。
ゼロです。
 
ちなみに、日本人はね、もうほんとにドラッグストアが大好きで、
中国から帰ってくるととっても異常だと思うんですけど、
男の子もきれいに髪をセットしてすばらしい匂いをプンプンさせている。
香水だとか、家庭の石鹸だとか、においをとるとか、
あれももう全部農薬が入っていますので、非常に有害な化学物質が入っているので、
化学物質過敏症と反対で、
化学物質依存症というのが若い子のあいだにあるんじゃないかなと思いましたけど。
もしまわりにそういう人がいたら、あんまり強く言うと怒るんでね、
ちょこっと、注意してあげるのもいいかもしれません。
 
例えば、農薬でここにフェニトロチオンってのがありますけど、
これはほんとにあのよく松の防護とかに使われているスミチオンのことですね。
スミチオンは特定第一種指定物質でとっても危ない物質なんです。
それを日本人は平気でドラッグストアから買って来てあちこちに撒いている。
かなり恐ろしい状況なので、この際覚えて置いていただきたい。
 
それから平成12年になって、循環型社会形成推進基本法っていう法律ができました。
あの循環型基本法って言ってます。これがね、皆さんたちはね、
ゴミ問題やってるおばさんたちは、
ああこれで日本も循環型社会になるなんてことを言って大喜びしたんですけど、
法律を読めば恐ろしい法律なんですよ、これ。
だから、私は悪循環型基本法って言ってますけど。
これはどういう法律かっていうと、ゴミはすべて燃やしなさいと、
そいういう法律なんです。
ゴミはすべて燃やして、そのとき出てきたエネルギーを再利用すれば
これはもう循環型社会に貢献するって、こういうゴマカシなんですね。
循環型基本法はどこで出てきたかっていうと
ゴミ処理広域化計画でガス化溶融炉ってのが
日本全国にいっせいに拡がりましたけど、その後ろ支えとしてできたのが
この法律なんです。「もういい加減ほんとごまかすなよ!」って感じなんですけど、
なかなかこのゴマカシがわかっていただけないんですね。
法律の中身を読めばいっぱつなんですけど。
この循環型基本法でも、
放射性物質及びこれによって汚染されたものを除くってなってます。
 
それで、平成14年になって、環境法令の一番最後ですね、
土壌汚染対策法ってのができました。
なんでこれ土壌汚染防止法にしなかったのか、
なんでこんなに遅れたのかって、いろいろありますけど、これはね、
遅らせる理由があったんです。
日本はゴミの、例えば2004年、2005年の大阪市の、昨日もらった資料なんですけど、
だいたい87%燃やしているんですね。集めたゴミの87%を大阪では燃やしている。
東京は、中防(中央防波堤埋立処分場)があるから
おそらく90%以上は燃やしているはずです。中防がない間は大変だったんですよ。
もう処分場は土壌汚染がひどいっていうのはお口にチャックなんですけど、
みんなわかっていたわけなんです。だから、
土壌汚染防止法なんてのができてしまうと、処分場がつくれない。
だから、ゴミを燃やすっていう社会の中では土壌汚染防止法なんてないほうが、
なければないほうが都合がいいんです。
それで、ぎりぎりの土壇場になって、いいかげんな法律をつくって、
もうこれもほんといいかげんなんですけど、そのいいかげんな法律の中にも
放射性物質は除外されているんですね、定義第二条で。それで
「土壌に含まれることに起因して
人の健康に係る被害を生ずるおそれのあるものをいう」って、
まさに先ほども話がでましたけど、
保育園の側溝から非常に高濃度のセシウムがでてきたと、
ほっといたら人の健康にすぐ影響するんじゃないですか。特に子供たちね。
もう決めなければいけなかったんです。それを省いたわけなんですね。
 
ここで結論なんですけど、第二章の結論、
放射能は、現行の、この現行ってのは311以前なんですね、
すべての環境条例で、適用除外されています。でも、環境基本法では、
ちゃんとそれを決めなさいよって書いてあったじゃないですか。ところが、
国は環境基本法でちゃんと定めなきゃいけませんよって書いてあるにもかかわらず、
環境への放射能の放出を想定した法律をつくってこなかった。
原子力基本法も改正されなかったし、
原子炉等規制法も改正されなかったし、
他の法律も全部改正されなかったんですよ。
だからこれはもう重大な不作為、もう違法なんてもんじゃないんですね。
 
    犯罪なんですね。
 
それで、私はだいたい、都道府県まではあんまりよくわかっていないから、あれなんだけど、
環境省だとか、省庁の人間を見ると気合いが入って、
「ワンワンワンワン」怒り出したりするんですけど。
これは違法、無法、不作為、犯罪なんです。そういう感覚でいないと、
なんかこうズルズルズルズル妥協してしまうんですねけどね。
つまり現行法令上で、311までは放射能を含むがれきの焼却はできませんでした。
それを裏付ける法律が、それこそ根拠法令がなかったわけなんですね。
現在はそれがないのにやっている。
国家・政府が重大な違法行為を犯しているわけなんです。
先ほども言いましたけど、福島のほんとにたくさんの地域が、あるいは東京ですとか、
茨城県とか千葉県の一部は放射線管理区域にあたっているので、
これをこのまま放置しておくと、そこに住んでいる、
あるいはそこの周辺に住んでいる人たちに対して、ものすごい健康被害を与える。
 
    これはもう傷害罪にあたるんですね。
 
意図的に放置しているわけなんですから。
そして311以後、さあ、それで、今言ったような法律の
大きな瑕疵が、欠陥があったわけなんですね。
法制度に欠陥があって、不作為があって、311が起きてしまった。
こういうときに、じゃあ行政はどういう態度をとるだろうか。
見てればわかるんですけどね。
一つ、無視、何も知らん。
二つ、責任を問わない、気がつかないふりをする。
もう、このひと言ですね。
具体的にはね、これはもうまずい、どうしようってのを、
ものすごく危機感をもったと思いますよ。
311から私の感じるところでは、おそらく10日以内に
もう方針を決めたと思います。
その方針っていうのは広域処理の方針ですね。
10日以内ってはっきり言えるのは
4月の最初の週に確か環境省から、全国すべての自治体に対して、
がれきの広域処理を手伝ってくれませんかってアンケートを出したでしょ。
アンケートを出したんです。
そのときはまだ放射能のことがあんまりわかっていませんでした。
みんなテレビとかなんかで、毎日毎日流されるほんとにひどい状況を見て、
もう何とか手伝ってあげたいと思ったんですね。
それで、たくさんの自治体が、いくつだったかな、
400以上でしたっけ、手を挙げたんです。ところが、
あの川崎の市長がね、福島県の出身なんで、
島県に行って、じゃあ福島の、あれを俺んとこが引き受けるから、
なんてことをうっかり言っちゃったんですね。それがネットに流れて、
それで川崎市の市民がガーっと怒って、
「なに放射能汚染のゴミを引き受けるのか」って、
それでもう大騒ぎになって、そこから第一弾の試みはパッとつぶれたんですね。
それで、そのつぶれたのが良かったのかどうか。
あっ、まずいって、えー、それから半年くらいずっと、
環境省とそれからその他の省庁は全部、水面工作にはしりました。
水面工作にはしって、まず6月なんですけども、えーっとね、資料の先ほど
ダブってるっていいましたけれども、7ページからを見てください。
資料:http://t.co/e9zovuF6
6月23日に、福島県内の災害廃棄物の処理の方針ってのが、でてますけど、
これでもうすでに8000㏃っていうのが出てるんですよ。
跡付けられるってのは、これが、これとちょっと前のガイドラインかな、
それが一番早いんですけど、この8000㏃がもうずっとこれが基本になってるんですね。
だから、本来だったら、福島県内のがれきについての方針だったのが、
後はもう全国になってしまったんです。えーと、
そこの8000㏃っていうのは、えーと、8ページのね、右でも左でもいいんだけれど、
ちょうど真ん中の赤いマーカーをしたとこなんですね。
焼却灰の溶融処理で発生する飛灰も同様に一時保管とすることが適当である。
溶融スラグについても一時保管が原則。
8000㏃以下であることが確認された場合は埋め立て処分が可能である。まっ、
東京都はこれをこのまんま使ってるんですが、
これはそれこそ福島県内の、がれきについての規定なんです。
その後もしばらくぜんぜん表に出てこなくて、
8月18日になって、特別措置法、まず第一弾を出しました。
これはね、もう長いんでね、がれき特措法って呼んでますけどね。
災害廃棄物の処理に関する特別措置法、がれき特措法なんですが、
ここでとんでもないことを書いてあるんですね。
 
(趣旨)第一条、アンダーラインしたところね。
国が被害を受けた市町村に代わって災害廃棄物を処理するための特例を定め、
あわせて国が講ずべきその他の措置について定めるものとする。
つまり、さっき言ったのは、あのー、がれきですとかゴミの処理は
100%自治事務だって言いましたね。それなのに、
国が代わって処理してあげるよっていう特例なんですね。これね〜、
知ってる人は、えーっと思うわけ。ありえないでしょ。
何でありえないのか。
国立歌劇場ですとか、国立博物館とか、国立図書館ってのがあるけど
国立ゴミ焼却炉って無いでしょ。
無いのに何で代行できるんです。ありえないでしょ。
ゴミはそれぞれの市町村で発生するからこそ自治事務なんです。
中央集権でなんとかできるものじゃないんです。
それなのに、国が代行するって、これはいったい何なんだ。
答えは簡単なの、東京で起きてることです。
丸投げ。丸投げと民間委託なんですよ。さっきも言いましたけど、
民間委託にすると、一般の人の目にはそのゴミの行方がわかりません。
非常に危険なんですね。こういうことをされると。
これ私、知ったのがちょっと後で、ちょうどこのころ帰ってきたんです。
だから気付くのがずいぶん遅くて、去年の末だったんですが、
知ってればもっと早く騒いだんですけど。
それで、これが大事なんです。定義。
この法律において災害廃棄物とは東日本大震災により生じた廃棄物、
(廃掃法、廃棄物処理法ね、第二条第一項に規定する廃棄物)を言う。
これさっき大事なとこだから覚えておいてって言ったの覚えてますか。
廃棄物処理法の第二条の定義はね、
放射性物質及びそれによって汚染されていないものっていうことで、
その年内は、わーっといろんなことをやってました。
国による廃棄物の処理の代行なんですけど、
これさっきの繰り返しになりますが、
被災市町村に代わって、
当該市町村の災害廃棄物の収集、運搬、及び処分(再生を含む)を行うものとする。
国がね。国がいつの間に、
ゴミの運搬トラックを買いそろえたんだろうとかいう話なんですよ。
できないでしょ。だから、ここにも
 
    ものすごいゴマカシがあるんですね。
 
それで、もっとあれなのは、災害廃棄物、
がれきの収集、運搬、処分を行った環境大臣については、
国が代行するんだから環境大臣が代行するっていう意味なんですが、
廃棄物処理法第十九条の四、第一項の規定は適用しないって書いてあります。
 
これはどういう意味かっていうと、廃掃法第十九条の四の第一項ってのは、
措置命令のことなんですね。措置命令ってどういうことかっていうと、
ゴミ処理にはいろんな違法がつきまといますね。
例えば、こんなとこに捨ててはいけないのに違法投棄したり、
どっかの山の中に大きな不燃物を捨てたりとか、
燃やしてはいけないものを燃やしたりとか、
いろんな違法行為がありますが、違法行為が見つかったらば支障が生じ、
いろんな条件は書いてありますけど、とにかく、環境大臣は
この支障を元に戻しなさい、現状復帰命令ですとか、
罰金だとか、賠償命令を出すことができるんですよ。
それは環境大臣は、そのがれきをね、たとえ誰かに、どっかの企業に
全部全面的に民間委託してその企業が妙なことをしたりしても、
環境大臣は責任を問われないっていう意味なんです。
じゃあ、誰が責任を問われるの。
その企業は、だから環境大臣イコールなので、
企業も責任を問われない可能性が多いんです。
こういう法律をつくって、それで一般の人にはぜんぜん説明しないで、
がれきの処理に走っちゃってるんですね。
今のがれき特措法では、
ほら、がれきはぜんぜん汚染されていないっていうのが建て前なので
当然ながらセシウムのセの字も書いてありません。
その当時までは、宮城だとか岩手のがれきはぜったい大丈夫って言い続けていました。
ところが私なんかがガーガーガーガー言って、これおかしいって言ったらば、
ようやく2012年4月に告示を出して、8000㏃をちゃんと肯定してしまったんですけどね。
法定したからいいっていうものではなくて、
はじめから市町村に押しつけて広域処理をやらせよう、焼却させよう、
それで特措法って何のためにあるかっていうのは、
そのときにバッとお金が必要なんですが、お金を、
あの予算化するための法律が特措法なんです。そこに、
3年で1兆円ってのをつけてしまったんですね。この3年で1兆円ってのは
ほんと早い者勝ちなんで、企業がバーッと飛びついたわけなんです。
この政策の根幹は燃やして埋めるなので、
あとの被害の発生を予測しているんですね。予測しているから、
何かあったとしても、環境大臣は責任を問われないと。
こういうことになっているんです。
今の法律も十分ひどいんですけど、もっとひどい法律が同じ年、去年
(2011年)の8月30日に公布されました。
これ、ここからここまで全部法律の名前なんですが
(「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う
原子力発電所の事故により放出された放射性物質による
環境への汚染への対処に関する特別措置法」)、
すごい長いんですけど、長すぎるので、「放射能汚染対処特措法」って言ってます。
放射能汚染対処特措法。この法律は、さっきのがれき特措法とぜんぜん違って、
まず、福島県ですね、ですから、がれきは汚染されていると。
特に福島県のことを言っているんですが。
広域処理をやるっていうんで、宮城、岩手は汚染されていないっていうんで、
がれき処理特措法ができたんです。それにたいして
この放射能汚染対処特措法っていうのは、
「環境汚染が人の健康又は生活環境に及ぼす影響を
速やかに低減することを目的」としてるんですよ。
 
    おかしいでしょ。
 
そのために広域処理で拡げる。
現地の汚染はもっていった分だけ多少減るかもしれませんが。
結局汚染の痛み分けなんですね。
汚染の痛み分けをはっきり最初から書いているわけです。
具体的には、これは政府の広域処理のホームページからとった文章なのですけど、
「地方公共団体が国の施策への協力を通じて」、変なこと書いてあるでしょ、
「当該地域の自然的社会的条件に応じて適切な役割を果たすことを責務とする」。
もうこれ見ただけでおかしい、あやしいなんじゃこれはって感じなんですけど。
さっき言った通り、
国は市町村の自治事務に命令したりはできません。
ところが、ここに、責務って言葉が書いてあるんですね。
だから、責務っていうんで、あんまりよくわかっていない市町村は
おそらくこれを命令と受け取ったはずです。
よくわかっている首長がいるところは抵抗しているはずです。
新潟県とか、徳島県でしたっけ、
抵抗しているでしょ。
ある程度きちっと地方自治法とかを読んでいるから抵抗できるんです。
読んでいないとこはもういっぱつ、
もうこれ(おカネ)に目がくらむだけの話なんです。
 
それで、ここですが、
(資料説明の動画:http://www.youtube.com/watch?v=oXeMNP8etCE&t=50m30s
国の施策への協力っていうことと、責務っていうことと、
ぜんぜん逆でしょ。これひとつの文章でもまったく矛盾している言葉が使われている。
これ見ただけで、法律を読む人はおかしいと思います。
それから、もう一つね。
当該地域の“自然的社会的条件”ってなんだっていうことなんですが、
これは実はそれぞれの市町村が持っている、
焼却炉とか処分場を使いなさいっていう謎掛けなんですね。だからこれは
ほんとにこういうバカなことをやってるんだと分かる人は分かるんですが。
これを読んだだけでも、放射能汚染対処措置法のターゲットが
福島県だけではなくて、全国の地方公共団体だっていうのがわかるんです。
だから絶対、福島県の廃棄物は福島県内だけで留まっているわけではありません。
もうすでに相当拡散されていると思わなきゃいけないのね、この表現からすると。
 
    すごい怖いことなんですよ。
 
あとは、この法律のつくり方なんですが、まだこれ条項にははいっていなくて
説明なんですけど、基本方針、「監視及び測定の実施」
それから第四章で除染を決めています。
それから、第五章で費用を決めてます。こういうふうに決めているんですけど、
除染なんて、それまでなかったことをやり始めたわけなんですね。
それがこの法律に基づいています。
あの除染がどれだけ役に立たないかっていうのは、
さすがにマスメディアもちょくちょく報道していますが、
移染にすぎないんですね。だから汚染物質を動かすよりも
そこに住んでいる人たちを動かすのが先なんです。
それをやらないで除染をやると、
ありがたいのはやっぱり、ゼネコンはじめオールジャパンの企業なんですね。
 
この放射能汚染対処特措法は、第十九条ってのを決めてて、
“指定廃棄物”ってのを決めてます。
この法律で二つの新しい定義をつくりました。
一般的な廃棄物はもうそこでは消えてしまっていて、
放射能に汚染されたゴミは二種類。
指定廃棄物は8000㏃以上。
8000㏃以下が“特定廃棄物”っていいます。それでいま
指定廃棄物の処分場を各県に一つずつ造るっていうことをやろうとしています。
大阪はもうOKしたみたいですよ。東京もたぶんOKしてると思います。
これも、さっきとおんなじなんですが、
国がそんな高濃度に汚染された、ようするに8000㏃/kg以上の廃棄物を
収集・運搬・保管なんてできるのって話です。同じでしょ。
 
だから全部民間委託なんですね。
でも、この法律にはおかしなことを書いてあって、
第四十七条、「何人も特定廃棄物を焼却してはならない」、
8000㏃以上はね燃やしちゃけないわけ、
「ただし、国、国の委託を受けて焼却を行う者その他環境省令で定める者が
第二十条の環境省令で定める基準」に従ってやればいいよって。
これどういう意味だと思います?
特定廃棄物っていうのは8000㏃以下なんですけども、あくまで、ほら、
濃度基準なので、8000㏃/kg以下でしょ。
だから他のゴミと、一般廃棄物と混ぜればいくらでもOKなんです。
だからそういうゴマカシがあるんで、
それをもう法律でごまかしているわけね。だからこれをやるんだったら
必ず総量規制とか、頭打ち規制とかをやらないといけないんですね。
なんだってできるわけなんです。
それで、「お待たせしました」ってとこなんですけど、この法律のね、
第二十二条が、ごまかしの最大のポイントなんです。
長いんですよ。ウワワワワーって書いてあるんですが、
「廃棄物処理法の適用関係」。おかしいでしょ。
さっきのがれき特措法では、はっきりと放射性廃棄物によって
「汚染されたものを除く」は適用されるような形になってるんですけど、
こっちの法律はなんか廃棄物処理法を適用するってなってるの。
まず、それがおかしくって、これを、わーって読んでみますとね、さっき言いましたが、
廃棄物処理法の定義は、放射性物質及びそれによって汚染されたものを除く、
となってましたが、除くを除くってしてあるんです。
ほんとだよ‥、ホラここ、「‥除く)を除く)」。‥短く言うと。
それで、もっとひどいのはですね、
当分の間、汚染された物を、除くを除くとして、
さらにこれを読み替える、廃棄物処理法を、
もう放射性廃棄物によって汚染された物を含むと読み替えるってしてるわけなんです。
どういう意味かっていうと、
原子炉等規制法とか、放射性障害防止法ってのは、これまで通りです、
変わりません。ところが、とにかく8000㏃/kg超以外は
廃棄物処理法の対象と読み替え、これまで通り焼却処理できる。
廃棄物処理法自体は何も変わってないんですよ。なんにも変わってないの。
 
    これってごまかしだと思いません?
 
私に言わせるとほんともう脱法行為なんですね。
脱法行為で、知ってる人しか知らないわけ。あたりまえなんですが。
一般市民は全然知らないわけ。
本来だったらね、廃棄物処理法の性格ががらっと変わってしまったんですよ。
そんな場合は必ずパブリックコメントをやって、
実質的にはこう変わりますよってことを説明して、国民の意見を入れて、
それでなんとかしようとしなきゃいけないんですけど、
一切それをやってないわけ。
できないんですよ。それをやってしまうと、
他の大気汚染防止法だとか水質汚濁防止法とかそれも全部変えなきゃいけないわけ。
恐ろしくてそんなことできないわね。
それやったらどうなる。もう日本の経済なんてめちゃくちゃです、おそらく。
日本は東京、以東は全部 捨てなきゃならない。そんな状況になると思います。
最後にはそうなると思うんですけど、
その最終的判断をどんどんどんどん先送りしているわけなんですね。
廃棄物処理法ってのは、そういう形で使われて、
今読み替えられている状況なんです。まとめますけれども、
がれきの広域処理っていうのは、
 
    国家による脱法行為なんですね。
 
彼等って書きましたが、政府の目的なんですけど、
 
    汚染の拡散です。
 
何のためにって、これはもう何年かすると、
何年もかからなくてもう1、2年で出てくると思いますけれど、
子供たちの、例えば甲状腺がんだとかなんかが増えて、
あるいは先天異常が出てきて、国家あるいはTEPCO(東電)に対して、
じゃあ、これ、ちゃんと損害賠償してよっていう訴訟がたくさん起きたときどうするか。
がれきを
 
   まんべんなく国土に拡散してれば
 
差異がつかないわけでしょ。おそらく
それをねらっているとおもいます。
ですから、国家賠償訴訟がぜんぜん効かなくなる。
そこまでやるのかって。やりますよ。だから、今、
これまで誰も責任をとってないわけ。
本来だったらね、反原発の運動より、まず今の政府を倒して、
なんとかまともな政府をつくるのが先なんです。
今泥棒に鍵を渡しちゃってるわけなんです。鍵を渡された泥棒がね、
じゃあ、ほんとに盗まれないようにしましょうなんて、あれつくりますか。
つくらないですよ。責任問題は、
責任をとらなければならないような事故を引き起こした連中が
政策をつくっているかぎり、絶対、責任を負いません。しかもこれ、
がれきとか廃棄物業界の既得権益に密接に関わってきていますし、
反対する市民は片っ端から弾圧して、なんかうるさいこと言ってくるわけなんです。
 
これが、私のまとめなんですけどね。
反原発の運動ってのは、
その反がれきの運動をつぶす過程で、どうも出てきているんですね。
ごくごく客観的に見ると。
反原発の運動ももちろん必要なんですけど、原発はフクイチみたいなことが起きない限り、
それこそ、さしせまった危険はないですけど、がれき焼却によって、
実はもうものすごく汚染が拡散していて、
被害はもうすぐに現れてくるんですね。
それが一番よく出ているのが実は北九州なんです。
北九州は、その前から三菱マテリアルとか、
麻生セメントもあったりして、
いろんなもう、しょうもない企業が
いっぱいあそこにかたまってるんですけどね。
響灘(ひびきなだ)っていうあのエコタウンに。
あの辺でなんかいろいろやっているらしくって、あのその前からほんとに、
線量が高かったんですけど、試験焼却の後で、鼻血を出したりとか、
いろんな健康被害を訴える市民が、がーんと増えています。
それで、いまは地域の人たちがいっしょうけんめいアンケート、
本焼却にはいってしまいましたからね、健康アンケートの調査を行っていますけれども、
北九州市は私に言わせると組織犯罪ですね。
もう市役所ぐるみでなんかもう隠して、もうほんとに足が抜けない状況になっている。
それに比べると大阪はね、職員はまだまともです。
あれはもうほんと個人のトップが悪すぎる、という犯罪。そういう意味では
東京も非常によく似ているんですけど、確信犯が首長でいるかぎり、
そこに住んでいる人たちの安全は保障されないですよ。
だからさっき一番最初に言った言葉にまた戻るんですけど、
ゴミ問題は政治問題なんですね。
だから政治的な目線で考えていただくとよくわかると思います。
 
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がれき広域処理の真相を根拠法から暴く!
山本節子さんのお話
主催: 放射能を考える下町ネットワーク
平成24年9月29日すみだ産業会館
 
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出典:
 
がれき 広域処理の真相を根拠法から暴く!山本節子さんのお話
【動画】http://youtu.be/oXeMNP8etCE
2012年9月29日【講演会本編文字起こし】PDF:http://t.co/1kpdklfd
via @temari_hn
放射能を考える下町ネットワーク
http://nonukes-edogawa.jimdo.com/
2012年9月29日 がれき問題下町講演会資料
「がれき広域処理と戦うために」山本節子さんレジュメ.pdf:http://t.co/e9zovuF6
 
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posted by badlife minami at 09:51| ニューヨーク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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